線スペクトル偏光分光装置 CCD開発・製作報告

* linearity 特性 最終結果

Oct. 2, 2002.

前回の報告『linearity (7) 』
次の報告『』


* shutterless photon transfer法によるgain分布


図1: ダイナミックレンジ全体でのgain分布。


図2: カウントが低い部分でのgain分布。

* Linearity Residuals


図3: ダイナミックレンジ全体でのlinearity residuals。


図4: カウントが低い部分でのlinearity residuals。

XY file: bin_sml.csv
format: binの始めのカウント、終わりのカウント、中間のカウント、binのdata数 n_data、 gain、σgain、σgain/√n_data、LRs、σ_LRs

* 安定性


図5: 9/26の2回のgain分布測定の比較。〜1%のシフトが見られた。

注:以下、全てのADU値をelectron値に換算する場合は2.2を掛けること。

(linearity特性全体) 主に図3,4を参照

カウントS (ADU)によって3つに区分される

(1) S < 〜1000 ADU
     〜300 ADUまでで +6%まで跳ね上がり、以後なだらかに +2%まで減少

(2) 1000 < S < 30000 ADU
    ±1%以内

(3) S > 30000 ADU
    〜40000 ADUまでは±2%に納まるが、以後急に悪くなり、
    〜50000 ADUで約 -6%に達する。

(linearity特性の安定性) 図5より

   複数の測定で全体の形状は似ているが、1%程度のシフトが見られた
    (gainを決めている抵抗の温度変化などが原因と考えられる)
 
    

(考察)

 1000-2000 ADU以下の低いカウントのみで観測する場合、
 変な形状のlinearity特性の影響を受ける可能性がある。
    (要確認)

 peakが数千〜30000 ADUでの観測の場合は、±1%のlinearityの範囲で
 問題なく使用できる。 (< 1000 ADU以下の変な特性は無視できる程度)

 30000 ADUを超えると、徐々にlinearityが悪くなる。天体偏光度との
 兼ねあいで、許容peakカウントの評価が必要。
     (要確認)

 システムゲインが時間によって少なくとも1%程度変わり得る
 一枚の画像内で変化しない限り、偏光測定には影響ないだろう
[LIPS CCD top page]

post 秋田谷 洋 (akitaya@astr.tohoku.ac.jp)