線スペクトル偏光分光装置 CCD開発・製作報告

* linearity 特性から予想される偏光測定誤差の評価

Jul. 4, 2003.

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* 概要

2002年10月UH88観測においてshutterless photon transfer法によりgain分布を測定した。
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そこで、gain分布からlinearity 特性を導き、そこから予想される偏光測定誤差を評価した。


* gain分布(ADU-gain)からlinearity特性(electron-ADU)を求める。

ADU_gain
gain分布 @三鷹 2002.9 & UH88 2002.10

linearity特性を ADU=f(electron)という関数で表すとその微分関数(傾き)は、
d(ADU)/d(electron)=f'(electron)=gain [ADU/e-]となる。
つまりgain[ADU/e-]は、1光子あたりCCDで測定されるADU値ということ。
注;量子効率100%とし、入射光子数=電子数とする。
そこで、gain分布 f'(electron)をelectronについて積分すると
linearity関数 ADU=f(electron)を求めることができる。
ただし、今回は直接入射した光子数が分からないので、測定されたADU値に
1000ADUから30000ADUまでの安定しているgain値(約0.457[ADU/e-])の逆数を
掛けてelectronの値としたものを使用した。
積分して得られたlinearity特性は以下のようになった。

ADU_gain
linearity特性 @三鷹 2002.9 & UH88 2002.10

積分に用いたプログラムlinepro.c


* 偏光測定誤差の評価

linearity特性が理想的な1次式 ADU=a*electron(a=const)から
ずれることでどの程度、偏光測定に影響があるか評価した。

★方法
・星の光量(ここではelectron)と偏光度qを仮定する。
・linearity特性から実際に観測されるADU値を求める。
・ADU値をもとに計算した偏光度q'と仮定した偏光度qとの差dqを求める。

評価に用いたプログラムdelta_p.c

UH88
光量に対する偏光測定誤差@UH88 2002.10

MTK
光量に対する偏光測定誤差@MITAKA 2002.9

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post 本間 賢一 (homma@astr.tohoku.ac.jp)