ゴーストの波長同定
(2001年12月11日)
10月の試験観測で、長波長側のオーダー間にゴーストスペクトルが
写っていることが分かった。その原因を探るべく、短波長側シャープ
カットフィルターを用いて、波長の同定を試みた。なお、検出器には
CRYOCAM(TI-chip)を用いてある。
結果:
下図は、フィルターなしでのスペクトルである。波長域は、650-800nm付近で、
図中最も下位のスペクトルがm=24(800nm付近)である。m=24とm=25のスペクトル間
にゴーストがはっきり写っているのが分かる。
フィルターなし
L41フィルターを入れた場合。410nm以下の光をカットする。他のスペクトルは
変化しないのに、ゴーストのみが消えている。つまり、ゴーストは410nm以下
である可能性が高い。
L41フィルター
ためしに赤外フィルターを入れてみる。これは750nm以下の光をカットする。
L41が赤外域で透過率が減衰していることを考慮しての実験である。しかし
ながら、ゴーストは消えたまま現れなかった。
赤外フィルター
結論: 長波長オーダー間に現れるゴーストは、410nm以下の光であると
ほぼ断言できる。試験観測ではもっとゴーストの強度が高かった
ことも、秋田谷CCDの方が短波長側感度がより高いことで説明がつく。
きれいにスペクトルが並んでいるいることから、おそらくクロスディス
パーザの2次光が写っているのだろう。今後は、赤用クロスで
撮影する場合は、短波長カットフィルターを用いた方がよい。