◎ 装置たわみ量およびガタの調査
要旨: 装置の自重によるたわみおよびガタの量を測定する。
たわみとガタによるスリット像の移動量が、どんな姿勢差
に対しても、1/3スリット幅(2pix)以下であれば合格とする。
実験方法: HCTランプで照らした較正用スリットの像を撮る。
検出器上での像の装置の姿勢に応じたずれ量を測定し、
たわみ、ずれの有無、発生箇所を推定する。
実験 1回目
内容
各エレベーション(50度 30度 10.5度)で、ローテータ角度を
0度、45度、90度、-45度、-90度にして測定。
結果
像のずれは、ローテータの回転にしたがって、最大20pix程度ずれる。
エレベーションに対する依存性は小さい。
=> 像のずれはたわみによって生じているのではなく、素子
ホルダーと素子とのガタによって生じている可能性が高い。
実験 2回目
内容
ガタが生じていることが懸念されたクロスディスパーザと45度ミラー
の裏板にスペーサを挟み込んで、ガタを抑えた。エレベーション50度
のまま、ローテータを回転し、像の移動量を測定。
結果
前回の実験で生じていた20pix程度の像のずれは、クロスディスパーザ
の裏板にスペーサを施した時点で消えた。しかし、依然最大5pix程度
のずれは残っている(図)。45度ミラーの裏板ににスペーサを挟んだ効果は
なかった。いずれにしろ、像のずれの最大の原因はクロスディスパーザ
のセル内でのガタであることが分かった。
=> クロスディスパーザのセルに板バネを挟むなどの対処が必要
図をみると、ローテータの回転角による像のずれには再現性がない。
装置本体や、セル(ホルダー)のたわみよりもガタやもしくは、螺連結
部分のスベリなどに原因を求めるべきか。
実験 3回目
内容
クロスディスパーザと45度ミラーセルのガタを抑えた状態で、1回目
と同じ実験を行った。
結果
結果の図を見て分かるように、ローテータの方位角がの時は、図の第二象限、
-の時は第四象限に点は集まっている。しかし、完全な再現性はない。
エレベーションによる移動量/方向の依存性も認められない。
像の移動の、原因はたわみというよりも依然ガタが存在していると考える
べきか。像の移動方向を基に、ガタが生じている部分を推測すると、
やはり「45度ミラー」もしくは「クロスディスパーザ」である可能性が
高い。ガタが生じていないか、そもそも固定方法に問題があるのか、
もう少し調べる必要があるようだ。