岡山36ドーム〜測光望遠鏡マニュアル〜





 このマニュアルは、岡山36inch望遠鏡に同架されている望遠鏡(Meade社LX-200)を使って測光観測を行うためものです。測光観測システムやドーム内の配置から、観測の流れ、ソフトの簡単な使用法などが書いてあります。また、これまでに行ったテスト結果などを最後にまとめて付け加えてありますので、使用の際の参考にしてください。


近藤正宏(福島大学教育学部)
email:kondoh@tau.educ.fukushima-u.ac.jp



目次

  1. 測光システムとドーム内配置
  2. 観測準備
  3. 制御パソコンとソフト使用マニュアル(簡易版)
  4. 観測終了
  5. (フラット取得)
  6. メモ
  7. テスト結果


1. 測光システムとドーム内配置

36inch望遠鏡の南側に同架させてあるMeade LX200に、Pictor1616 CCD カメラを取り付けてあります。
これをドーム計算機室においてあるパソコンから 専用のソフト(Pictor View)を用いて制御します。
システムの全体像は図1のようになっています。

図1 測光望遠鏡観測システム


冷却用ファンはCCDの冷却を助けるためのもので、 これを用いると(室温―30〜40)℃で安定します。
フィルターボックスにはB、V、Rc、Icの4色のフィルターと、 clearフィルターがはいっています。
フィルターの切り替えは、計算機室でソフトから行うことができます。 36ドーム内での配置は図2、3の通りです。

図2 36 inchドーム内の測光望遠鏡観測システムの配置






図3 装置の写真


2. 観測準備

その日の始めに

・CCD制御用のパソコンのハードディスクの空き容量が、 十分残っているかを確認してください。
 画像一枚あたりのファイルの容量は、 1枚あたり約780Kbyte(binning 2×2の場合)です。
 足りない場合は、c:\okayama\ にある古いフォルダを削除してください。
・観測データ保存用のフォルダをc:\okayama\に作成します。
    ※ 例 c:\okayama\001219

観測の前に

CCDの温度が安定するまで時間がかかる(〜30分)ため、 ここで述べる作業は観測開始30分前にはおこなってください。

 

� �CCDの電源を入れる

POWERをONにし,

VOLTAGEの摘みで電圧を12Vにあわせ,

OUTPUTをONにします(左図参照)。

※5秒位するとCCDのコントローラーが 立ち上がり,ピッという音がします。

図4 定電圧装置


�◆\�御用パソコンたちあげ

最初にwindows 95をどのモードでたちあげるか 聞いてきますが、ここではnormalモードを選択します。

※しばらく放っておけばnormalで立ち上がります。


�� CCD冷却用ファンの電源を入れる

図3の冷却用ファンのスイッチをONにします。
(定電圧装置の上に固定してあります)


�ぁ�CCD制御ソフト Pictor View ver.7.1.1 の立ち上げと冷却温度設定


観測の前に#2

ここで述べる作業は、観測前に行えば良いものです。


3. 制御パソコンとソフト使用マニュアル(簡易版)

CCDの制御は、Meade社のPictor Viewで行います。2001年2月現在の最新versionは7.1.3です。最新版はMeadeのホームページからダウンロードすることができます。

http://www.meade.com/catalog/pictor/pvrev.html


図8はPictor Viewの実行画面です。


図8 Pictor View ver.7.1.3 実行画面




以下に主に使用すると思われるメニュー、ツールバー上のアイコンなどを書き連ねます。それぞれの詳しい使用法については、Helpメニューをご覧ください。

表1 観測の際使用する主なメニュー

メニュー

プルダウンメニュー

内容

File

       

Set User Preference

default image directory の設定

オートセーブを使用する際は、
セーブするフォルダをImage Filesに指定します。 →図5参照

Save As

ファイルのセーブ

Camera

Set CCD Temparature

CCDの冷却温度設定を設定

Take Image

積分開始

Take Dark Frame

dark frame取得

Take Bias Frame

bias frame取得

Take Color Image

3色画像取得

これを選択すると自動的にフィルターを変えながら積分を行います。画像を合成するのに用いる3つのフィルターとその積分時間を指定できますが、連続撮像はできません。

Take Filtered Image

Filterを指定して撮像

CLEAR,BLUE(B),GREEN(V),RED(Rc),INFRARED(Ic),NONE(NO FILTER)が選べます。フィルターを変えずに続けて撮像するときは、Camera―Take Imageで大丈夫です。

Filter Wheel Setup

Filter Wheelの設定

Camera―Take Color Imageで使用する3色を選びます(以下の補足参照)。

Connection    

Connect

CCDカメラと接続

Disconnect

CCDカメラとの接続解除

 

(補足)Take Color Imageの設定の仕方
Filter Wheel Setupダイアログのチェックボックスで、使用する3色を選びます(図9参照)。
ここのフィルター毎に 一番右にあるボックスに指定してある数字(乗数)×(積分時間) の積分を行います。
積分時間はあとで出てくる設定アイコンのメニューで指定します。


※図9の例の場合、積分時間が30秒と指定して あれば、それぞれ
B filter:30×10=300(秒)
V filter:30×1=30(秒)
Rc filter:30×2=60(秒)
の積分が行われます。
回数は最大25まで指定できます。


図9 Filter Wheel Setupダイアログ




表2 主に使用するアイコン

アイコン

内容

カメラアイコン

フィルターなどを変えずに、
そのまま積分を開始します。

設定アイコン

Setup Exposureダイアログが
表示されます。
ここで積分時間、オートセーブ、binning、連続撮像などの設定を行います。
→図10参照





図10 Setup Exposureダイアログ


注:現在のヴァージョンのソフトでは、gainの設定は行えません。
  また、binningは2×2のみとなっています。

4. 観測終了



5. (フラット取得)

フラット画像としては、スカイフラットを用います。その際、二つの方法があります。
  1. 薄明時の空を撮像する。
  2. 減光のための蓋を用い、昼間の空を撮像する。

現在のところまだ試験観測の段階で、分からないことが多いのですが、これまでの経験を一応載せておきます。
どちらも10秒積分での目安です。

  1. 薄明フラット撮像
    ・夕方の観測開始の目安
    Bフィルターではおよそ日没後12、3分で(日によって多少異りますが) 40000ADU程度のカウントが得られます。
    基本的にBフィルターでタイミングを見計らい、 7、8枚撮像した後に、VRcIcを交互に積分を行うのが 望ましいようです。
    参考に過去の日没時間からの 各フィルターのカウントの変化を載せておきます。
  2. 昼間のスカイ撮像
     右図の減光用蓋を望遠鏡にかぶせ、撮像を行います。 各フィルターで使用するシートの目安は表3の通りです。 また、図11はフラット撮像の際に用いたシートの写真です。

    表3 スカイフラット撮像時の目安

    フィルター

    減光に用いるシート

    得られるカウント

    B

    シートA×1

    〜30,000

    V

    シートA×2

    〜30,000

    Rc

    シートA×2+シートB×2

    〜20,000

    Ic

    シートA×2+シートB×2

    〜20,000


    シートA:厚さ5�个離掘璽�
    シートB:厚さ1�个�0.5�个離掘璽�
    (注)シャッターの脇から光が漏れるため、ダーク、バイアスなどは望遠鏡の蓋を閉めた状態で取得してください。

    これらを目安に各自工夫してみてください。





    図11 フラット撮像用シート
    左上が望遠鏡にかぶせる「フラット撮像用のふた」、右上が厚さ1.0および0.5mmのシート(シートB)、下が厚さ5mmのシート(シートA)です。




6. メモ


KODNOH Hiro. (kondoh-hiro1@jcom.home.ne.jp)