線スペクトル偏光分光装置 CCD開発・製作報告

* 冷凍器を電気絶縁しての冷却・画像取得(1)

August 7, 2001.

前回の報告『 CCD chip未接続状態でのノイズ対策』
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* 概要

画像取得時に、冷凍機起因のノイズが大きい事がすでに分かっている。 そこで、これまでデュワーと電気的に接続されていた冷凍機を絶縁して 画像を取得し、ノイズの軽減が図られるかを確かめる事とした。
以下のように冷凍機の絶縁工作を行ったが、とりあえず絶縁しての画像が とれさえすれば良い、との主旨で、冷却効率のことは深く考えずに ありあわせの材料で工作を行ったため、結果として画像取得を行うに十分な冷却が 行えなかった。やはり、冷却に関して十分考慮した材料を用いて絶縁工作を 行う必要がある。
実際画像を取得しての実験はまた改めて行う。

* 冷凍器の絶縁


デュワーの冷凍器接続面の螺穴に、厚さ0.3mmのプラスチック板で作った ワッシャーをかませる。


冷凍器を接続するネジには、キリ穴内でネジと冷凍器フランジが接触しないように、 ネジ山の上部に熱圧縮チューブを巻く。


チューブを巻いたネジとプラスチックワッシャーを使って冷凍器を固定。これで冷凍器フランジと デュワーフランジ間の絶縁はOK。


冷凍器ヘッド部分は、支持具との間にゴムマットを挟み固定。


吸着剤ケースは出来るだけ冷やす必要があるので、コールドヘッドとじかづけ。 吸着剤ケースから伸びる銅網線のコールドプレートへの接続部で、 プラスチックシート(0.3mm厚)を挟み、冷凍器とコールドプレートを絶縁。

* 冷却

銅網線とコールドプレート間での絶縁に用いたプラスチックシートの熱伝導が 悪いらしく、コールドプレートが十分冷えず、260K程度までしか下がらなかった。 その後、真空ポンプの停止で、温度上昇が生じた。これは、コールドプレートが 高温であったこと、吸着剤の減少(作業中にこぼれ落ちた)などで、十分な 吸着効果が得られず、アウトガスにより圧力上昇が生じ、気体熱伝導が効き始め たためであろう。
温度が上がってしまったので、画像を取得してのノイズ対策実験は、 冷却への対策を講じた上、機を改めて実施する。


冷却の様子。緑:コールドプレート、赤:吸着剤ケース。

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post 秋田谷 洋 (akitaya@astr.tohoku.ac.jp)