線スペクトル偏光分光装置 CCD開発・製作報告
2000.5以前の報告
July 10, 2000.
2000.4
CCDデュワー冷却実験
真空引きを行いながら冷凍器を作動させCCD素子の冷却を行ったところ、約120K
まで冷却できた。しかし、冷却中に真空引きを停止させると、温度上昇が生じ、
最終的には250Kまで素子の温度が上がってしまう。
どうやらデュワー内部でのガス放出により内部圧力が上昇し、気体の熱伝導によ
る熱流流入が生じているらしい。気体の熱伝導のみで3W程度の熱流入が生じて
いることから、短時間で内部圧力が10^-2 Torr以上の圧力に上昇していると考え
られる。ちなみに、この圧力ではすでに自由分子条件が破れ、気体の熱伝導の効
率が圧力に依らなくなっている。
2000.5
CCDデュワー内部圧力上昇率測定
真空計をデュワーに取り付け、真空引き停止後の内部圧力上昇率を測定した。
時間に比例する圧力上昇が見られ、内部部品の有無により差はあるものの、圧力
上昇率はおよそ1e-5 Torr/sであった。典型的なジュラルミン壁面からのアウト
ガスと比較すると、妥当な値である。これにより、前回の報告における
真空引き停止後、短時間で1e-2 Torr程度まで内部圧力が上昇しているという
予想が正しいことを確認した。
秋田谷 洋
(akitaya@astr.tohoku.ac.jp)