◎新しい光学素子のインストール
新たに製作したレンズ系を始めとする、新しい光学系のインストールを行った。
内容は以下の通り。
a. 新たに製作したアポクロマートレンズのインストール。
(第一レンズ、第二レンズ、コリメータレンズ)
b. 赤用クロスディパーザ及び、新クロスディスパーザセルのインストール。
c. 新波長板(ARコート付)のインストール
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a. 新たに製作したアポクロマートレンズのインストールを行った。
各ユニットの性能についてはすでに8/24に報告済である。
コリメータ、第二レンズ、第一レンズの順にインストールし、
おおよそのベストピントポジションを求めた。
スリットは、一対一対応用スリット、瞳系は、9mmで行った。
レンズ交換前:レンズ交換後:
明らかに、像質は改善されている。しかしながら、画面位置によって
像形状が若干変わるなど、以前収差は残っている。これは、
(1) レンズのアライメント(特に第二レンズ)が完全ではない。
(2) カメラレンズの収差の影響
が考えられる。秋田谷CCD取り付け後、再度アライメントの追い込みを
試みたいと考えている。
瞳径6mm(UH88モード):瞳径12mm(IRシミュレータモード):
瞳径を大きくさせると、以前と同様に像質が悪くなる。UH88用6mmでは、
収差はほとんど問題にならないが、赤外シミュレータ用13mmでは像質の
悪さは若干気になる。アライメント調整後、カメラレンズを交換するか
否かを検討すべきであろう。
b. 赤用クロスディスパーザ(300 lines, 760mm blaze)のインストールを
行った。同時に、クロスディスパーザセルのインストールも行った。
赤用クロスでのスペクトル:
Hα付近のスペクトル(目盛値93.5度)。設計通りのスペクトルの間隔に
なっている。また、スペクトルのカウント値が以前に比べて向上した。
これは、回折効率の向上に伴うものであると考えられる。
また、画像下側にゴーストが写っている。ThArランプには、700 nm以上に
非常に強いラインが存在するので、それらのゴーストであろうと考えられる。
シャープカットフィルター等の導入を検討したい。
c. 新波長板、(8/13のレポート参照)をインストールした。