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LIPS用CCDカメラの、2002年10月観測期の設定における線形性を調べたところ、
「光量-シグナル値」の関係から、 ADU (約140,000 electrons相当)にわたる
ほぼ全出力シグナル値範囲で、以内の良好な線形性を持つことが分かった。
「分散 - シグナル値」の関係からは、その手法に潜在する不定性により、
測定値から系のゲイン値分布や 線形性特性の正確な関数形を
独立に得ることはできなかったが、少なくとも、考えうる不定性の範囲で
光量-シグナル値の関係から得られる線形性特性の結果と矛盾はしないことが分
かった。
また、「分散 - シグナル値」の関係については、数学的な考察を深め、
不定性を排除して数値的に真のゲイン値を求める方法について検討した。
今後、線形性特性の安定性を確認するために、観測期ごとに「分散 - シグナル
値」に基づいて線形性特性を調査するのが良いだろう。
なお、観測者が設定し画像のヘッダーに記録される露出時間に対して、
真の露出時間が 0.085 秒長くなっていることが、データ処理の過程で示唆され
た。この原因や特性の安定性などについては明らかではないので、調査が必要である。
また短い積分時間にて、比較測光等を行う際にも十分留意しなければならない。
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Hiroshi AKITAYA
平成15年11月20日