次へ: 4.3 まとめ
上へ: 4 考察・結論
戻る: 4.1 「光量-シグナル値関係」「シグナル値分散-シグナル値関係」の使い分け
本報告により、2002年10月の観測期におけるカメラの線形性特性が、
ほぼすべてのシグナル値域にわたって程度内で一定であることが示さ
れた。
しかし、長期に渡る変動性については、分かっていない。
線形性は、例えば以下のような原因で変動しうる。
- アナログ回路の一時的な特性値変化(環境温度、湿度等)
- アナログ回路の長期的な特性値変化(経年変化、劣化)
- 意図しない回路の設定変更(可変抵抗に触れてしまうなど)
- ケーブルの断線、破損、接触不良
- カメラ駆動電子ファイルの破損、誤設定、使用ファイルの選択の誤り
- その他
線形性特性の変化は、目立ちにくいため、安定性の確認には十分注意を払う必要がある。
以下に、4.1節に基づき、LIPSの運用にあたっての、
カメラの線形性特性について対処する方針について提案する。
- カメラの開発期
- 細かな設定の変更ごとに「分散 - シグナル値関係」に基づき、
線形性特性を調査し、相対的に良好な設定を探る。(既に終了)
- 装置性能評価期
- 「光量 - シグナル値関係」に基づき、詳細で信頼度の高い線形性
特性の情報を得る。また、その設定における「分散 - シグナル値
関係」も得ておく。(本報告)
- 装置運用期
- 観測期ごとに、SLPT法による「分散 - シグナル値関係」に基づき線形性特性を調
査し、性能評価期の結果と比較する。単純な誤設定を発見するため
にも、重要な観測や実験に先駆けて行うのが望ましい。
過去の結果とほぼ一致すれば、線形性は安定しているとしてよい。
相違が見られた場合は、線形性が変動しうる
と判断し、「光量 - シグナル値関係」に基づき、詳細で信頼度の
高い線形性を測定し直す。付随して生じる観測誤差の再評価なども適切
に行う。(現在)
次へ: 4.3 まとめ
上へ: 4 考察・結論
戻る: 4.1 「光量-シグナル値関係」「シグナル値分散-シグナル値関係」の使い分け
Hiroshi AKITAYA
平成15年11月20日