照射光量の補正後、照射量の異なる5つの領域
(表2)における Linearity Residuals、
を、シグナル値、および、積分時間に対して図
4、5に示した。
は、本来、異なるデータセットから得た場合でも、
シグナル値が同じならば、差異無く、一意に決まるはずの量である。
しかし、選択した領域によって、同一のシグナル値に対する
が異なっている(図4)。
また、比較的強い照射量でデータの取得した場合(領域1-3)、
積分時間に対する、
の振る舞いは、ほぼ一致している(図5)。照射の弱まる領域4,5では、相違がみられる。
即ち、ここで求めたは、明らかに、積分時間に依存する何らかの系統的
な変動が加わっていると考えられる。
ここで、
我々が測定時に設定し記録されている積分時間に対して、
真の積分時間
が、何らかの原因で
だけ長くなっていると仮定する。
即ち、
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(4) |
このとき、真のLinearity Residuals、
と、測定された
の差
は、
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(5) |
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(6) |
図5に示されているの振舞には、まさにこの効果が現れている
と考えられる。
式(7)より、十分長い積分時間ではは
の影響を受
けず、
となる。
さて、
秒以上の充分長い積分時間で得たデータ点においては、
5つの領域で得たどのデータセットでも、
である。
この条件に合うデータ点のみを選びだすと、
図4より、
ADUでは
と見倣して
良いだろう。
また、最短の積分時間の2秒積分で得られたシグナル値が、2-300 ADU以上とな
る領域1,2,3は、
が成り立ち、
には、
の効果のみが現れていると考えられる。
ここで領域1, 2, 3の
に、
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(9) |
即ち、なんらかの原因で、真の積分時間が、設定した積分時間
に対して
sec だけ長くなっていることが分
かった。
以後、積分時間として、画像ヘッダに記録された値に
secを加
えた値を正しい積分時間と見做す。
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