実験の間のXe光源の安定性を確認するため、約10分に1枚の割合で20秒積分のXe光源画像を取得した。
これらの20秒Xe光画像について、実験経過時間に対する 画像内の同一の領域におけるシグナル値の変化を見たところ、 経過時間に対して一次関数的な変化を示した(図2、3)。 また、選択領域によって、時間に対するシグナル値変化率は一定ではなかった。 画像内の位置による、変化率の分布傾向を調査したが、特に傾向はみられなかった。
光源そのものの光量が変化する場合は、画像内の場所によらず一定のシグナル値 変化率が見られるはずである。また、光源の温度変動により、光源のスペクトル 形状が変化した場合は、シグナル値変化率が場所により変化し得るが、 波長方向に対する系統的な傾向が見られるはずである。
これらのどちらとも一致しなかったことから、ここで見られたシグナル値の時間変化は、 単純に光源そのものの光量や温度の変動ではなく、 光源の固定が不十分で徐々に光源の位置がずれることなどにより、 スペクトル像の形状が変化したことに起因すると考えられる。
単一の領域内では、シグナル値の時間変化はゆるやかで系統的であるため、 各領域について、20秒Xe画像で得られたシグナル値から、照射光量の変化を 一次関数にてフィッティングし、補正することとした。
ある領域において、測定時刻のシグナル値が で あったとする。このとき得られる量、
(1) |
(2) |
次に、 各積分時間で得たXe光源に対して、 時刻原点を基準に、光量の補正を行う。
積分時間
で画像を取得し、そのとき
のシグナル値が得られたとする。
また、測定時刻がだったとする。
この時、ここで得られたシグナル値は、仮に照射光量が時刻に
おける値だったとすれば、
(3) |
照射光量変動を補正後、本来補正が完全であれば一致すべき8枚の20秒積分Xe画像のシグナル値のばらつきは、 peak-to-peakで0.4%( ADUの領域)-0.6% ( ADUの領域)程度であった。よって、照射光量変動を補正した上での シグナル値測定精度は、およそ 程度であると考えられる。