線スペクトル偏光分光装置 CCD開発・製作報告

* M-Front - Messia-IV廻りの作業経過2

Sep. 15, 2000.

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2000.9.15

CCD chipのデータシートをもとに、必要なクロック信号線種、電圧を決定し、 Messiaソフト上で設定した。また、BIAS-CLKAMP間のケーブルを作製した。 CLKAMP直前の信号は、bias電圧は正常だが、デジタルのクロックパターンの 形状が鈍っていたり、正規の電圧に達していなかったりする異常が見られた。 これは、RCVから出たクロックをCLKAMPに伝える際に中継役を担うBIASボード上 のバッファ(U45: 74ABT16245)の動作不良による可能性が強い。

BIAS電圧の設定/クロック信号線の設定

CCD駆動に必要な電圧を決定した。京都大尾崎氏と同様に、データシートの値を- 9V シフトし、substrateをGNDとした。但し、CLKAMP上のreset clock生成を担 うアナログスイッチ(U15; DG419)が駆動電源をbias出力VR±からとっているため、 VR±については、アナログスイッチが駆動するように調整が必要。 全体の電圧をデータシートからシフトしたこともあって、 M-Frontのデフォルトの信号定義とは異なる信号定義をする部分も出て来た。
作製したmf_bias.dac : mf_bias.dac

mf_bias.dacの内容をEEPROMに記憶させるためには、Messia-IVソフト上で

 MFRONT) pset_all_dac
 
とするが、一回実行しただけでは、 Messia-IV再起動後にvcheckで出力電圧を確認しても、 全チャンネルのうち半分位しか書き変わっていなかった。 pset_all_dacを続けざまに十数回実行したら、 全てのチャンネルの電圧設定が書き変わっていた。 最終的にはうまくいったものの、なんか気持ち悪い。

クロック信号線は、CLKMAPではデフォルトでは使用できない設定になっている DGを使用する予定。そのため、CLKAMP上の配線(R48-53)を変更する必要がある。

BIAS-CLKAMPケーブル作製

BIASボードPCR68pin〜CLKAMP 41pinハーメチックコネクタ間のケーブルを作製 した。10芯シールドケーブル3本(clock用x1、bias電圧用x2)、 2芯シールドケーブル2本 (CCD信号用x2)を使用。2日がかりの作業となってしまった。 41pinコネクタは、中心から半田付けをしていくより、全体を片側から配線 していくほうが楽だったと後で気付いた。 半田付けがけっこう汚いので、いずれ作り直した方がよいかも。

M-Front周辺
作製したケーブルをM-Frontに接続したところ。

BIASボードからの信号出力(bias電圧、デジタルクロック)確認

作製したケーブルに裸の41pinハーメチックコネクタを装着し、出力bias電圧、 出力デジタルクロックを測定した。
出力bias電圧は、設定電圧の1%以内で一致し安定していた。 一方、デジタルクロックは、チャンネルによって波形が大幅になまったり、 十分な電圧が得られなかったりと、異常が見られた。 BIASボードバックプレーンでのクロック信号入力(DIGIN#)では正常の矩形波で、 BIASボード出力直後のフロントパネル部分(DIGOUT#)ですでに波形がみだれていることから、 BIASボード内部のバッファの動作異常が疑わしい。

normal clock
図1: bias boardバックプレーンでのデジタルクロック(ch0,1)。矩形波となっている。

ch0,1
図2: bias board フロントパネル68pin PCRコネクタでのデジタルクロック (ch0,1)。 図1のクロックがBIAS board内を通って出て来たもの。 波形が大きくなまっている。

ch10,11
図3: 同じくbias board フロントパネル68pin PCRコネクタでのデジタルクロッ ク(ch10,11)。ch11では電圧が足りず、波形を成していない。

BIAS board内バッファ前後のデジタルクロック波形

BIAS board内バッファ U45(74ABT16245)前後のch0のクロック信号を測定した。 バッファ入力直前(図5)、バッファ出力直後(図6)、 バッファ出力後の抵抗(R220)出力直後(図7)となった。明らかに、バッファ内で クロックが大きく崩れている。先に示したように、同じクロックパターンを 入力してもチャンネルによって出力クロックの電圧が十分出ないなど 明らかにバッファそのもの、もしくはそれを駆動する周辺回路/環境の 何処かに異常がある。
次のような対処を予定。

バッファ周辺回路図
図4: バッファ(U45; 74ABT16245)前後のクロック測定点。

バッファ前
図5: バッファ入力直前(pin#47)のクロックパターン。 BIAS boardバックプレーンと同様にそこそこの矩形波となっている。

バッファ後
図6: バッファ出力直後(pin#2)のクロックパターン。波形が大きくなまっている。

抵抗後
図7: バッファ後の抵抗(R220)を出たあとのクロックパターン。

Messia-IVメモリを交換

自分のパソコン(メモリにはDIMMを使用)を新たに組み上げ、 古いパソコンで使っていた16MB SIMMが不用になったため Messia-IVに載せかえた。
これまでは当座凌ぎに8MBを使用していたけれど、 これで、2Kx2K CCDに完全対応。

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post 秋田谷 洋 (akitaya@astr.tohoku.ac.jp)