Sep. 22, 2000.
バッファIC周辺の半田付け不良の疑いがあったため、 半田付けとIC周辺の導通試験を市川氏の助力を得て行った。 しかし、BIAS boardから出力されるデジタルクロックは異常はそのままであった。
前回のレポートで「なまっている」としたクロックだが、クロック幅を長く
(〜1μs)すると、なまり具合は気になる程ではなく、むしろ綺麗なクロックと
なっていた。バッファ後も矩形波を出していたチャンネルの方がむしろ
異常らしい(CLKAMP出力クロックの項目(後述)参照)。
ch11の出力がないのは相変わらずだった。
クロックを一つのチャンネルにしか送らず、そのチャンネルと、クロックを
送っていない適当なチャンネルの電圧変化をみると、クロックの立上り
(特にバッファ後も矩形波がでている場合)、クロストークにより
他のチャンネルにリップル状のノイズが混入している。
前回の報告でクロックに多数のリップル状ノイズが載っていたのは
信号のクロストークによるものだろう。
適度になまったクロックが出ている場合は、ノイズがほとんど生じないので、
全てのチャンネルでクロックが正しくでるようになれば、このノイズの
問題は解決できるかもしれない。
いずれにしろ、バッファIC 74ABT16245 を調達し、交換してみることにする。
図1: bias boardバックプレーンでのデジタルクロック(ch0)とクロックを送って
いないチャンネル(ch0)での信号。入力クロックは1600ns周期の矩形波。
適度になまったクロックが出ている。ch0へのノイズ混入はほとんどない。
このクロックをCLKAMPに送るとCLKAMPからは綺麗なクロックが出力される(後述)。
ch1,2,4,9,10も同様。
図2: bias boardバックプレーンでのデジタルクロック(ch5)とクロックを送って
いないチャンネル(ch5)での信号。バッファ出力後もかなり角ばった矩形波が
出力されている。クロック立上りで、ch0へのノイズ混入が見られる。
このクロックをCLKAMPに送るとCLKAMPからは正常なクロックが出力されない
(後述)。ch6,7も同様。
図3: ch11の出力。図1,2の場合と同様の入力クロックを送っているにも関わらず、
出力が見られない。
配線後のアダプターボードとCCDコネクタ。
実験用のアダプターボード
CLKAMPはデフォルトではDGを使用しない設定になっているため、CLKAMP上の 配線をDGを使用できるように変更した。
もとから付いていた抵抗(R49、R52; いずれも0Ω)を取りはずし、R48、R50、 R51、R53に相当する部分を、ビニル線/半田のブリッジで結線した。 不慣れな作業で、一部配線パターンが禿げてしまったため、ICの足に ビニル線を結線せざるを得ない部分がでてきてしまった。 大事にはいたらず一安心。
配線変更後のCLKAMP。ICの足からビニル線を伸ばしているのは、本来正規の
配線をすべきパターンの部分が禿げてしまったため。
BIAS board出力後のクロックパターンに異常があるものの、とりあえず
CLKAMPを接続して出力電圧、クロックを測定してみた。
CLKAMPにテスト用アダプターボードを接続し、1-30pin全ての電圧を
測定。いずれのピンも、設定電圧に対して1%以内で一致する安定した
電圧が出ていることを確認した。
一方、クロックを送ったところ、BIAS board出力後の出力異常に対応して、 ch0,1,2,4,9は正常、ch4,5,6は異常、ch11は出力なし(異常)であった。
図4:CLKAMP S1出力。BIAS board出力ではch0に対応。綺麗なクロックが出ている。
電圧(Low=-7.0V、HIGH=+2.0V)も正常。
S2、S3、DG、SW(それぞれch1,2,4,9に対応)も同様。
図4:CLKAMP P1出力。BIAS board出力ではch5に対応。異常なクロックパターンが出力
される。P2、P3、SW(それぞれch6,7に対応)も同様。