本観測期の線形性に関しては、これまでにも(2) SLPT法を用い、
シグナル値分散
、シグナル値
を得て、
カメラのゲイン値を
と見做して
Linearity Residualsを求め、線形性を評価する方法を行ってきた。
それによると、
で約
、
で
と大きな非線形性を
示していた。しかし、SLPT法では、必ずしも
の値が、真のカメラのゲイン値とは一致しないため
(A.3節)、
ここで示された非線形性が、真の線形性特性を表しているとまではいえなかった。
よって、高い信頼度で線形性の特性を知るためには、測定データから
一意に線形性特性が求まる、(1) 「光量 - シグナル値」の関係を用いて、
改めて線形性を評価する必要があった。
本報告では、まず、安定光源光の照射時間を変えた画像から得た、 「光量-シグナル値の関係」により、高い信頼性で、 LIPS用CCDカメラ線形性の特性を明らかにする(2節)。 次に、SLPT法で得られる「シグナル値分散-シグナル値」で得た結果が、 前者の結果と矛盾しないことを示す(3節)。
そして、今後、線形性特性の安定性を
確認するにあたって、両者の測定方法をどのように用いて行くべきか議論する
(4節)。