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1 Introduction

2002年10月観測期の設定におけるLIPS用CCDカメラの線形性について、 (1) 複数の積分時間にて 安定光源光を照射して得られた「光量-シグナル値」の関係、 および、(2) shutterless photon transfer(SLPT)法に基づく「シグナル値分散 $\sigma _{\rm ADU}^2$-シグナル値$S_{\rm ADU}$」の関係、 それぞれ2種の独立な方法を用いて評価した。

本観測期の線形性に関しては、これまでにも(2) SLPT法を用い、 シグナル値分散 $\sigma _{\rm ADU}^2$、シグナル値$S_{\rm ADU}$を得て、 カメラのゲイン値を $\sigma_{\rm ADU}^2/S_{\rm ADU}$と見做して Linearity Residualsを求め、線形性を評価する方法を行ってきた。 それによると、 $> 30000{\rm ADU}$ で約$-8\%$ $< 2000 {\rm ADU}$$+4-6\%$と大きな非線形性を 示していた。しかし、SLPT法では、必ずしも $\sigma_{\rm ADU}^2/S_{\rm ADU}$の値が、真のカメラのゲイン値とは一致しないため (A.3節)、 ここで示された非線形性が、真の線形性特性を表しているとまではいえなかった。

よって、高い信頼度で線形性の特性を知るためには、測定データから 一意に線形性特性が求まる、(1) 「光量 - シグナル値」の関係を用いて、 改めて線形性を評価する必要があった。

本報告では、まず、安定光源光の照射時間を変えた画像から得た、 「光量-シグナル値の関係」により、高い信頼性で、 LIPS用CCDカメラ線形性の特性を明らかにする(2節)。 次に、SLPT法で得られる「シグナル値分散-シグナル値」で得た結果が、 前者の結果と矛盾しないことを示す(3節)。

そして、今後、線形性特性の安定性を 確認するにあたって、両者の測定方法をどのように用いて行くべきか議論する (4節)。


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Hiroshi AKITAYA 平成15年11月20日