SLPT法による測定で得られた の分布を用いて、 式(30)を数値的に解き、 を得る。
簡単化のため、
の測定値に対して、
全シグナル値範囲を6つの区間に分けて一次関数で近似し、
を単純な関数形で記述した(図11)。
数値解析には4次のRunge-Kutta法を用いた。
また、境界条件 、は、以下のように決定した。
適当なの測定値からを得るには、
その時点では未知の、
の不定性を含む式
(26)を用いなければならないため、一般的には、から一意に
を知ることはできない。
さて、
は、シグナル値が小さく、かつ、
が小さいときに、小さくなる。
このとき、式(27)より、からおよそのが得られる。
また、このときは、
、
即ち、測定量もシグナル値に対して平坦であると考えられる。
よって、比較的信頼できる境界条件を得るには、それほどシグナル値が大きくない
領域で、が平坦と見做せる部分の 、を、
それぞれ、、として選ぶのが良い。
このような方針に基づき、SLPT法での測定によるの
依存性が、
比較的平坦な領域として、
を
選んだ。また、ととの相違が微少にあることも考慮して、
におけるの値 0.4550 を中心に、
前後 約の範囲にある、0.4500, 0.4525, 0.4550, 0.4575, 0.4600 の
計5つをとして選んだ。
以上の条件で、 の関数形を数値的に求めた。