得られた を図12に示す。 境界条件 のわずかな相違により、 の分布が大きく変化している。 いずれも、測定による の分布とは、 特にa few 以下の低カウント域で、 値、形状ともに大きく異なっており、 明らかに、このシグナル値域では、 を直接に と 見做すことができなくなっていることが分かる。
また、式(14)により Linearity Residuals を求め、「光量-シグナル値」の関係から得られた結果と比較した(図 13)。
せいぜいの境界条件値の相違により、 シグナル値が小さくなるにしたがっての相違が増大し、 a few 以下では、相違が5-6%まで達する。 その中で、 とした場合の解は、がの範囲にお さまっており、「光量-シグナル値」の関係から得た線形性の特性におよそ 一致している。
真のゲイン値分布、 および、Linearity Rresiduals は、 境界条件の値に非常に敏感であることが分かったが、 の高精度の決定は大変困難である。 これは測定量とと間に、常に不一致の可能性があるためである。 例えば、 真ののシグナル値依存性に、 ADUあたり 1% のわずかな傾きが あっただけで、との相違は、19000 ADU付近で約 0.6%に達する。 すなわち、境界条件を与えるさいにも、同程度の不定性が含まれることに なる。
また、数値計算の際に与えた の関数形も、単純な一次関数で 近似したものである。よって、ここで行ったような非線型微分方程式の解において、 わずかな近似の誤差が、解に大きな誤差を生む可能性がある。