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3.3 結果

SLPT法で得た$S_{\rm ADU}$ $\sigma_{\rm ADU}$から、 $k_{\rm nc}(S_{\rm ADU})=\sigma_{\rm ADU}^2/S_{\rm ADU}$(式(23))を求め、$S_{\rm ADU}$に対する振 舞を図78に示した。

また、 真のゲイン値 $k(S_{\rm ADU})$について、 $ k(S_{\rm ADU}) = k_{\rm nc}(S_{\rm ADU})$ が成り立つと仮定し、その場合のLinearity Residuals、 $LRs_{\rm nc} (S_{\rm ADU})$を、 式(14)から求めた (図910)。

$k_{\rm nc}(S_{\rm ADU})$は、全デジタルシグナル値範囲に渡って一定ではな い。また、 $k_{\rm nc}(S_{\rm ADU})$から求めた$LRs_{\rm nc}$は、照射量-シグナル値の関係から得た$LRs$ (図1)と大きく異なり、 以下のような振舞を示している。

シグナル値範囲 $LRs$の特徴
25000-65000 ADU $S_{\rm ADU}$の増加とともに、0%から-8%まで変化
  変化は一次関数的
5000-25000 ADU $\sim 0 \%$でほぼ一定
250-5000 ADU $S_{\rm ADU}$の減少とともに、0%から6%まで増加
  変化は $S_{\rm ADU}$に反比例的
0-250 ADU -4%から+6%まで急激に大きく変化

ここに見られる、$LRs_{\rm nc}$と照射量-シグナル値の関係から得た$LRs$との 不一致は、式(24)で定義される $\epsilon (S_{\rm ADU})$の大き さが無視できず、測定値 $k_{\rm nc}(S_{\rm ADU})$が、真のゲイン値 $k(S_{\rm ADU})$を正しく示していない(式(28))ためであると考えられる。 $k_{\rm nc}(S_{\rm ADU})$から $k(S_{\rm ADU})$を得て、線形性について議論 するには、式(30)を解く必要がある。

図 7: shutterless photon transfer法により得た、 シグナル値$S_{\rm ADU}$に対す る、 $k_{\rm nc}=\sigma_{\rm ADU}^2/S_{\rm ADU}$の分布。 10/23, 24, 28の3回の測定の結果を合わせた。0-$2^{16}$ ADUの範囲を表示。
図 8:7と同様。0-5000 ADUの範囲を表示。
\includegraphics[scale=1.00]{rep_slpt_k1.eps} \includegraphics[scale=1.00]{rep_slpt_k2.eps}

図 9: shutterless photon transfer法で得た$k_{\rm nc}$が、正しいゲイ ン値を示していると仮定して求めた、linearity residuals $LRs_{\rm nc}(S_{\rm ADU}) = 100(1-k_{\rm nc_M}/k_{\rm nc}(S_{\rm ADU}))$。基準の$k_{\rm nc_M}$としては、$\sim 19,000$ ADUにおける値 $k_{\rm nc}(19000 \: {\rm ADU})=0.455$ を採用した。0-$2^{16}$ ADUの範囲を表示。
図 10:9と同様。0-5000 ADUの範囲を表示。
\includegraphics[scale=1.00]{rep_slpt_lrs1.eps} \includegraphics[scale=1.00]{rep_slpt_lrs2.eps}



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Hiroshi AKITAYA 平成15年11月20日